こんなおセンチな気分になるのは、恋愛結婚ゆえだろうか。
知り合いのMさんも、似たようなことを言っていた。
彼女は20歳の時、飲み屋で知り合ったエンジニアの彼と結婚。
周囲に羨ましがられるラブラブカップルだったが、彼の浮気で離婚騒動に。
最後の最後の土壇場で、彼が復縁を申し出たが、Mさんはブッチ切った。
「やっぱりオマエじゃなきゃ、って、言ってほしかったのかな。
だって自分で言うのもなんですけど、私、けっこう彼の仕事に協力してて、合格点がもらえる妻だったと思うんですよ。
でも彼には、そんなの、どうでもよかったのかな。
先輩に離婚を反対されたこととか、慰謝料を払う大変さとかに気づいて、謝って元のサヤに戻ったほうがいいなって考えただけだったんですよね。」合格点をもらえる妻も合格点をもらえない妻も、なぜか似たようなことを主張するものである。
ところが、お義母様は、こんなならず者の私にやさしく懇願した。
「ねえ、子供がほしくないなんて、言わないでちょうだい」私は離婚したい理由のひとつに、子供がほしくないことを挙げるようになっていた。
ほんとは、ただ、子供をもつには若いと思っていただけだった。
まだまだ仕事が、と焦っているんだから、子供をもつどころではなかったのだ。
子供ができないのであれば、結婚生活を無理に維持する意味はない、と考える親も多い。
私は義父母の待つ居間に1人、放り出された。
どんな拷問が待っているのかと、恐ろしくなった。
自分の親にトットと捨てられたうえ、今度はもらってくれた義父母にもわざわざ捨てられに、私は彼の両親の元へ出かけて行くことになった。
彼の実家に着くと、彼はスッと自室に消えた。
あらかじめ、そういう段取りになっていたらしい。
子供がほしくない、を理由に離婚したとたん、再婚して子供ができちゃった、という人は珍しくないのだけれど。
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